むかしながらのお灸

昔ながらのお灸というのは、もぐさをひねって肌のうえに直接すえるお灸のことです。

肌のうえに直接すえるということは、肌のうえでもぐさが燃える、ということなので、当然、やけどをするリスクがあります(>_<)

 

患者さんや、お灸教室に参加された方で、おばあちゃんの背中にお灸のあとがたくさんあったのを覚えている、というエピソードを聞くことがよくあります。

 

やけどあとはやはり美容上よくないですし、治療室ではおもに台座のついた、やけどのリスクのないお灸を用いているのですが、この昔ながらのお灸の方が、やはり効果が高い部分もあります。

 

わざと軽いやけどをおこして軽い水ぶくれや、あとを残すことで、からだの免疫機能を活性化させられるのです。昔ながらのお灸をすると、からだのなかで免疫をつかさどる白血球の数が増え、体を守る機能が高まります。その結果、風邪をひきにくくなったり、からだの弱いところが丈夫になったり、関節の痛みが抑えられたりします。

アフリカでは結核の補助治療と予防にお灸が広まっているほどです。

 

台座灸はリラックスや冷え、美容にはとてもよいのですが、

昔ながらのお灸には免疫アップ、からだを丈夫にする、痛みをとるという点では

残念ながら劣ります。

 

鍼灸院で昔ながらのお灸をする場合には、やけど防止に紫雲膏という軟膏を厚く塗って、そのうえで米粒程度の大きさのもぐさを燃やし、7~8割燃えたところで指でつまんで消火します。

 

今までは美容上の問題から昔ながらのお灸をあまり用いてきませんでしたが、

これからはワークショップなどでももう少しご紹介していきたいと思っています。

また小さな火傷あと(1~2週間程度で治ります)なら気にしないという方で

ご希望の方があれば、ひねりもぐさのお灸を用いて治療をいたします。

ちょっと試してみたいという勇気のある方も言ってくだされば一カ所だけひねりもぐさを使う、というように加減をしますのでお声かけくださいませ(^.^)